純物質の気-液平衡

温度Tを一定に保った状態の容器内における気体と液体の共存を考え、この温度において気体-液体が平衡状態にあるとする。そして、この系全体のギブズエネルギーを G 、液相と気相の物質量をそれぞれ n(l) mol、n(g) mol があるとし、それぞれにおける 1 mol あたりのギブズエネルギーを g(l)、g(g) とすると

\[ G = n^{(l)} g^{(l)} + n^{(g)} g^{(g)} \]

となる。いま dn(l) だけの液体が蒸発したとすると、-dn(l) = dn(g) だから、

\[ G = g^{(l)}dn^{(l)} + g^{(g)}dn^{(g)} = (g^{(l)} - g^{(g)}) dn^{(g)} \]

となる。T, P 一定下での平衡条件は dG = 0だから、

\[ g^{(g)} = g^{(l)} \]

が得られる。すなわち、気体と液体のモルあたりのギブズエネルギーが等しい時に気-液平衡となる。