化学反応のエンタルピー変化 ΔH は、原系や生成系の温度、圧力に依存する。標準状態(1 気圧)における ΔH は、とくに ΔH⊖ と書く。また、1 気圧かつ 25 °C (298.15 K)におけるエンタルピーの変化は、ΔH298⊖ のように書く。
直接に測定される反応熱は燃焼熱で、ΔHC⊖ と書く。単体から 1 mol の化合物を生成するときに生じるエンタルピーの変化を特に標準生成熱(標準生成エンタルピー)という。標準生成熱がわかっていれば、任意の反応について反応熱 ΔHC⊖ を求めることができるようになる。
化学反応式は一般に次のように書ける。ここで、A, B, ... は反応物質、L, M, ... は生成物質、νA, νB, ..., νL, νM, ... は化学量論係数を表す。
\[ \nu_AA+\nu_BB+\dots\rightarrow\nu_LL+\nu_MM+\dots \]その反応熱は、それぞれの物質 f の標準生成熱 ΔHf⊖ を用いて次のように書き表すことができる。
\[ \Delta H^\ominus=\sum_{i=L, M, \cdots}\nu_i(\Delta H_f^\ominus)_i-\sum_{j=A, B, \cdots}\nu_j(\Delta H_f^\ominus)_j \]