気体の状態方程式

理想気体の状態方程式

理想気体の状態方程式は、ボイル・シャルルの法則から導くことができる。ボイル・シャルルの法則により、

\[ \frac{P_{1}V_{1}}{T_{1}} = \frac{P_{2}V_{2}}{T_{2}} = Const. \]

が成り立つ。気体が \( n \) mol のとき、ある定数 \( R \) を用いて次のように一般化できる。

\[ \frac{PV}{T} = nR \]

式の両辺に \( T \) をかけると、次式に示す理想気体の状態方程式 ideal gas equation が得らる。定数 \( R \) のことを気体定数という。

\[ PV = nRT \]

実在気体の状態方程式

実在気体は理想気体と異なり、気体分子自身の体積があり、また気体を構成する分子間には分子間力が働く。そのため、実在気体の状態方程式は、理想気体の状態方程式に修正項を加える必要がある。

分子の総体積は分子数 \( n \) に比例する。分子が \( n \) mol 増えると、その分だけ、分子が自由に動き回れる空間が狭くなる。そこで、状態方程式の体積に関する項に対して、体積を減らすように補正する。

\[ V-bn \]

分子間力は周囲の分子密度 \( \frac{n}{V} \) に比例する。また、時間あたりに壁にぶつかる分子の数も \( \frac{n}{V} \) に比例する。そのため、分子間力は、気体濃度 \( \frac{n}{V} \) の 2 乗に比例する。分子間力は、圧力を和らげる働きをするので、次のように補正する。

\[ P + a\left(\frac{n}{V} \right)^{2} \]

このように補正した項を理想気体の状態方程式に代入すると、

\[ \left( P + a\left(\frac{n}{V} \right)^{2} \right)\left( V- bn \right) = nRT \]

が得られる。これをファンデルワールスの状態方程式 Van der Waals' equation という。実在気体の状態方程式について、このファンデルワールスの状態方程式が用いられる。